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平成25年(2013)産の北海道産小麦について

『平成25年(2013)産の北海道産小麦の状況について』

今年の秋播き小麦は、播種時期である昨年9月中旬~下旬の天候不良や前作物の収穫の遅れにより、計画通りの作付けができなかった地域もあり、全体的に予定面積を下回る結果になりました。それに伴い、秋に播種できなかった畑に翌年(今年)の春、春播き小麦を播種するケースが増え、結果的に春播き小麦の作付面積が予定面積を上回ることになりました。

生育状況については、4月下旬~5月中旬にかけては低温と日照不足により、秋播き小麦の初期生育や春播き小麦の播種作業が遅れておりました。その後天候が回復し生育は回復傾向となりましたが、6月には「干ばつ」、7月からは「高温」と、小麦の生育環境にとっては過酷な天候に見舞われました。7月下旬からの収穫は、順調に作業が進んだ地域がある一方で、収穫時に長雨に見舞われ作業が滞ったことに加え、「穂発芽」という麦の品質にとっては大きなダメージが懸念されている地域もあるようです。10月現在、各産地では水分調整を終えた原麦の選別作業が大詰めを迎えておりますが、先に述べた天候不良の影響により、今年の出来高数量は当初の予定を下回ることとなりそうです。

生産者の皆様!大変お疲れ様でした。

今度は我々が皆様の丹精込めて作った小麦を小麦粉にする番です。天候に左右される農産物ではありますが、いかに品質を維持した小麦粉を作り上げていくかは、我々製粉会社の使命です。そして既に来年収穫する秋播き小麦は畑の中で芽を出し始めています。来年の今頃は「大豊作!」と、皆満面の笑顔でいられることを心から願っています!

2013年10月24日 横山製粉 営業部 業務グループリーダー 高橋 恒


秋播き小麦の芽が出始めました!(2013年10月下旬/十勝)

『北海道産小麦の品種と用途について』

当社ホームページ内下記リンクをご覧下さい。

「横山製粉の製品作り-北海道産小麦」へ

『北海道産小麦の流通状況について』

過去10年間における北海道産小麦の生産量について、下記の通りグラフにしてみました。

「小麦グルテン」のおはなし

横山製粉と業務提携している、石川県金沢市の北国(ほっこく)フードのレポートをお届けします。

北国フードは、国内産原料100%の小麦グルテン(蛋白)と小麦澱粉を製造している、量産メーカーとしては国内唯一の会社です。

北国フードで製造している小麦グルテンは「活性小麦蛋白」と呼ばれるもので、小麦粉から分離させたグルテンを、その本来の性質を損なわないようフリーズドライ製法によって乾燥させ、利用しやすいよう粉末にしたものです。

活性小麦蛋白の製造工程は次のような流れです。

【原料小麦粉】→【加水】→【混練】→【水洗い・分離】→【生グルテン】→
【フリーズドライ】→活性小麦蛋白

機械の中で小麦粉の生地に水が加えられながら混練する工程。

混練された生地を水洗いする工程。生地の中の澱粉は水に溶け出し、グルテンが半固形となって残る。白濁した水分(澱粉乳)は澱粉の原料となります。

繰り返し水洗いされて出来上がった生グルテンを、計量・パッキングする工程。生グルテンはこの後すぐに冷凍保管されます。

冷凍された生グルテンはこのフリーズドライの機械によって真空凍結乾燥されて乾燥グルテンになります。

フリーズドライによって作られた乾燥グルテン。これを粉末にして製品が出来上がります。

袋詰めされた北国フードの活性小麦蛋白。プレミアムな小麦グルテンとして、全国に流通されています。

時間をかけて丹念に仕上げる北国フード独自製法の「活性小麦蛋白」は、当然コストも高めになりますが、品質がすばらしい!

真空状態で乾燥されるので、蛋白質にダメージが少なく、さらに安心の無添加。スプレードライやフラッシュドライ製法による小麦グルテンと比べて弾力性や伸張性が極めて豊かなので、少量の使用で小麦粉に小麦グルテンの特性をしっかりと反映させることができるという特長を持っています。

また、【水洗い・分離】の工程で出る【澱粉乳】は、【精製】【乾燥】などの工程を経て小麦澱粉が作られます。

工場内のもうひとつのラインでは、澱粉乳を精製・乾燥させて、小麦澱粉が作られています。

袋詰めされる直前の小麦澱粉。

【小麦グルテン】の主な用途は、製パン、製麺、製菓、製麩など、【小麦澱粉】の主な用途は、水産ねり製品、蓄肉加工品、レトルト食品、冷凍食品惣菜類、菓子類など。

横山製粉では、今後も北国フードと連携して北海道産小麦100%の小麦グルテンと小麦澱粉の製造・活用を進めていきます。

圧倒的な量が生産される北海道産の中力系小麦粉にグルテンを加えることで強力系小麦粉に、小麦粉澱粉を加えることで薄力系に、さらにプレミックスへの利用など、北海道産小麦100%由来のグルテンと澱粉の、さまざまな用途での利用拡充を積極的に展開していきます。

どうぞご期待ください!

REPORT:宿田牧夫(ゴッツォ株式会社)

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